少年の恋は永くて恥ずかしくて

「俺、あいつと付き合うことになった」
そう言って口にした友達の告げる女の子の名前は、中学時代に聞いた名前だった。

彼は昔、その女の子のことが好きで、一時は付き合っていたんだとか。子供の時のことだから、すぐに分かれてしまったんだが結局ずっと忘れられなくて告白した所成功したとかなんとか。
なんと驚きもしないことにそのことを話しているのは今のところ俺だけだという。
そして、そいつは言うんだな。こっちのバツが悪くなることを。
「お前だから話したんだよ」

実は、俺の彼女は小学校の時の初恋の人だ。
書いてて恥ずかしい話だけれど、好きになったのは一瞬だった。

彼女とは部活で一緒だった。
そして、同じアパートに住んでいた。あいつは二階で俺は一階。
小学校の頃の俺はとても小学生をしていたので、落ち着きがなく、いつも何かにぶら下がっているような子供だった。鉄棒とかな。
学校の帰り。たまたま帰りが一緒だったんだけれど(帰る道一緒だしな)、俺はいつものように塀を登ったり屋根にぶら下がったりしていた。
そうしたらあいつはぶら下がってる俺を引き抜いて地面へとたたき落としたんだ。
そして笑ってた。すんごい楽しそうに笑ってた。

今だから言えるけれど、あいつは猫かぶりだったんだ。みんなの前ではいつも優等生ぶって、実際頭も良くて、何より優しそうな雰囲気を出していた。
実際はわがまま女王。しかも凄いSっ気のあるやつなんだ。

でも、当時は知らなかった。だから俺は何がなんだかわからなかったけれど、なんでだろうな、好きになっていた。
今考えると、みんなは知らない一面を俺だけが知っているという愉悦に浸ってしまったんだろうか。これは永遠の謎だ。

そんなこともあり、俺の積極的なアピールが始まるかとおもいきや俺はそれから中学二年生まで、惚れていることをひた隠しにしていた。
小学生にありがちなアレですよ。恥ずかしいんだよ。

でもな、そんな恥ずかしがり屋な俺にはもっと恥ずかしい決心があってだな。あれだ。
身長を抜いたら告白するというやつだ。そういう決まりをつけないと、恥ずかしくていつまでも言えないからなんだけどな。
しかし、俺の成長も悪く、更にあいつの成長はやたら良く。
しかも、それをまたずタイミングの悪いことにあいつはなんかモテ期の絶頂。おれはヤキモキしてましたよ。
結局中学二年生まで計画は実行できず、しかし運の良いことに、中学校二年生になった頃まであいつはまだ誰とも付き合っていなかったのだ。
そして告白したら、付き合えましたとさ。恥ずかしいから詳細は書かないでおく。

でも、高校に入学する頃、俺らは受験だので忙しくて、気が付いたらそのまま関係は自然消滅していた。
まぁ、子供の恋なんてこんなもんだよね。
そんなことを思いながら大学生になるまで2人程と付き合ったりしたわけだ。
でも、結局なんだろうか。物足りなかった。

そんな時、同窓会でまたあいつと出会いました。
運命でも何でもない場だったけれど、俺は会いたいと思っていた時にあいつと出会ったことになんか感動的なものを覚えてしまった。
だから感情に身を任せてあいつにもう一度告白したんだ。ない頭で考えた俺がダメだった点を踏まえてお付き合いを申し込んだ。
一生退屈はさせないからと。

まぁ、OKは出なかったよね。

でも、それから何度も会いに行ってなんとかOKをこじつけました、と。
毎回口実どうしようかとか、嫌われてやしないだろうかとか、キザすぎやしないだろうかとかいろいろ考えてメール打ってたことも一応ここに書いておく。

さて、友達と冒頭の会話をしたのはもう一年も前の話なんだけれど、今度また会う約束をしている。
彼は一足早く結婚するんだとか。
俺が出世したら結婚しようと考えているんだけれど、それはいつになることだろうか。

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